====== 111[ようだ] ======
===== 基本情報 =====
旧JLPT該当級:3\\
品詞: 助動詞[[用語の説明|【用語の説明】]]\\
前接: V(動詞)/A(形容詞)/N(名詞)普通形[[文体|⑩[文体]]](※A**な**、N**の**)\\
意味:1判断・推量\\
2比況
===== 使い分けが必要な文法・文型 =====
・そうだ(様態)[[34そうだ_様態_①|34[そうだ]①]]\\
・そうだ(伝聞)[[35そうだ_伝聞_②|35[そうだ]②]]\\
・らしい[[117らしい|117[らしい]]]
===== 機能 =====
==== 機能1★:推量(根拠に基づく話し手の判断・推量) ====
=== 機能1用例: ===
例1.きょう、雨が降るようだ。\\
例2.部屋の電気がついていないので、山田さんはまだ帰っていないようだ。\\
例3.子どもがケーキをおいしそうに食べている。そのケーキはおいしいようだ。\\
例4.山田さんはお酒が好きなようだ。\\
例5.あの人は日本語がわからない。外国人のようだ。
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型: ===
・そうだ(様態)\\
・そうだ(伝聞)\\
・らしい
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例6.きょう、雨が降りそうだ。\\
例7.本がたなから(すぐ/今にも)落ちそうだ。\\
例8.このパソコンは古いですが、まだ使えそうです。\\
例9.このケーキはおいしそうだ。\\
例10.田中さんは、ひまそうだ。\\
例11.きょう、雨が降るそうだ。\\
例12.今年は、雪が少ないそうだ。\\
例13.田中さんは、今週末、ひまだそうだ。\\
例14.山田さんのとなりにいるのは山田さんの弟だそうだ。\\
例15.きのう、北海道で地震があったらしい。\\
例16.今年は、雪が少ないらしい。\\
例17.田中さんは、今週末、ひまらしい。\\
例18.山田さんのとなりにいる人は山田さんの弟らしい。
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
**そうだ【様態】**:①話し手が兆候や外観から判断する・予想することを伝えるのに使う。→例6,例8、例9、例10\\
②できごとがこれから(すぐ/今にも)起こる可能性【直前】→例7\\
**そうだ【伝聞】**:話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)を伝えるのに使う。話すときに使う。→例11-14\\
**らしい**:①**「そうだ」(伝聞)**と**「ようだ」**の中間。 **「そうだ」(伝聞)**より**「伝聞」**のニュアンスが弱い。\\
話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)に自分の判断を加えて情報を伝えるのに使う。\\
※無責任なニュアンスを帯びやすいので、責任を持って、判断を述べなければならない場合には不適切である。\\
例)【医者が患者に】#かぜらしいです。薬を飲んでください。\\
例)【医者が患者に】 かぜのようです。薬を飲んでください。\\
②(Nらしい)そのものの典型的な性質をもっている【比況】\\
例)子どもらしい子ども\\
**ようだ**:①根拠に基づく話し手の判断・推量を表すのに使う。【判断/推量】\\
②他のものに例えるときに使う。【比況】cf.機能2\\
\\
※**「そうだ」(様態)**と**「ようだ」**の違い\\
・前接\\
**そうだ**:V連用形(ます形)[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]]、A(い、な)(Nとは使えない;過去形には接続しない)\\
**ようだ**:V普通体/A普通体/N(の/普通体[[文体|⑩[文体]]])\\
\\
・意味\\
**「そうだ」**\\
**Vそうだ** :①話し手の判断・予想\\
②できごとがこれから(すぐ/今にも)起こる可能性【直前】\\
**Aそうだ**:外観からの今の様子についての推測\\
\\
**「ようだ」**\\
**「V/Aようだ」**:話し手は根拠か兆候の存在から判断・推量する。\\
\\
例)あの人は日本語がわからない【根拠】。外国人のようだ。/#外国人そうだ。\\
例)【ケーキを見て(外観)】このケーキはおいしそうだ。\\
例)【子どもがケーキをおいしそうに食べているのを見て(根拠)】このケーキはおいしいようだ。\\
例)【傘をさしている人がたくさんいるのを見て(根拠)】雨が降っているようだ。/#降っていそうだ。\\
例)【空の様子から(根拠/外観)】これから雨が降るようだ/降りそうだ。\\
例)【部屋は静かだ(根拠)】子どもは寝ているようだ。/#子どもは寝ていそうだ。\\
例)本がたなから(いつかわからないけど、これから)落ちるようだ。/本がたなから(もうすぐ)落ちそうだ。\\
例)【根拠】電気がついている。山田さんはいるようだ。/#山田さんはいそうだ。
==== 機能2★:【Nのようだ】比況(似ている状況やものに例える) ====
例19.あの子は人形のようだ。\\
例20.このお茶はくだもののようなにおいがする。\\
例21.あの人はロボットのように歩く。\\
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型: ===
・らしい
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例22.子どもらしい子ども。\\
例23.今年の冬は暖かくて、冬らしくない。\\
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
【**Nらしい**】:比況(そのものの典型的な性質をもっている)\\
【**Nのようだ**】:比況(似ている状況やものに例える)\\
\\
**まとめ**
^ ^ 前接 ^^ 後続 ^ 意味 ^^^^
^:::^V/A/N^過去形^N/V^伝聞^根拠からの\\ 判断/推量^兆候(外観)\\ からの\\ 判断/推量^比況^
|**そうだ**\\ ** 【伝聞】**|V/A/N| 〇 | × | 〇 | | | |
|**らしい**|V/A/N| 〇 |N/V| 〇 | 〇 | | 〇 |
|**ようだ**\\ **(ような)**|V/A/N| 〇 |N/V| | 〇 | | 〇 |
|**そうだ**\\ **(そうな)\\ 【様態】**| V/A | × |N/V| | | 〇 | |
きょうは、**雨が降るそうだ**。←他から得た情報(客観的な根拠・証拠)【伝聞】\\
きょうは、**雨が降るらしい**。←他から得た情報(客観的な根拠・証拠)に話し手の判断を加える【伝聞+判断】\\
きょうは、**雨が降るようだ**。←話し手の判断・推量【判断/推量】\\
きょうは、**雨が降りそうだ**。←徴候の存在のもとで(見たままの様態から)の話し手の判断・予想【判断/予想】
===== コラム =====
➣N/Vに接続できる\\
・~ようなN\\
例)くだものの**ような**におい\\
・~ようにV\\
例)ロボットの**ように**歩く\\
\\
➣話しことばでは、「みたい」(「みたいだ」「みたいな」「みたいに」)を使う。\\
・V/いA普通形**みたいだ**\\
・N**みたいだ**\\
・なA(な)**みたいだ**\\
例)雨が降ったみたいだ。\\
例)あしたの天気はいいみたいだ。\\
例)あの子は人形みたいだ。\\
例)田中さんは元気みたいだ。\\
例)人形みたいな子\\
例)ロボットみたいに歩く\\
\\
➣「ようだ」は、普通、はっきりわからないことの推量に使うが、はっきり分かっていても、直接的な言いかたを避けるために使う場合もある(「婉曲的な使い方」)。\\
例)雨が降ってきた。【明確な言いかた】→雨が降ってきたようだ。【婉曲的な言いかた】\\
例)時間です。【明確な言いかた】→時間のようです。【婉曲的な言いかた】