====== 2[あと(で)] ======
===== 基本情報 =====
1.旧JLPT該当級:4\\
2.品詞: 文型[[用語の説明|【用語の説明】]]\\
3.前接:N(名詞)**の** 、V(動詞)**た**形[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]]\\
4.意味: 時間の前後関係、動作の順\\
===== 使い分けが必要な文法・文型 =====
・まえに[[98まえに|98[まえに]]]\\
・Vてから[[53Vてから|53[Vてから]]]\\
・Vて[[46Vて|46[Vて]]]\\
・Vたとき[[70とき_に|70[とき(に)]]]\\
・たら[[41たら|41[たら]]]
===== 文型を使う上で理解が必要な情報 =====
・**主節/従属節**[[⑬文のタイプ|⑬[文のタイプ]]]\\
主節のできごと=Q\\
従属節のできごと=P\\
\\
__授業が終わった__あとで、__映画に行った__。\\
P Q\\
===== 機能 =====
==== 機能1★:時間の前後関係、動作の順 ====
==== 用法1:N(P)のあとで~V(Q) ====
=== 機能1用法1用例: ===
例1. 食事のあとで、薬を飲んでください。\\
例2. 授業のあとで、さんぽをした。\\
=== 機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型: ===
・Nのまえに\\
=== 機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型の用例 ===
例3.食事のまえに、手を洗う。\\
例4.授業のまえに、宿題をする。\\
=== 機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
N(P)のあとで~V(Q) N(P)→V(Q)\\
N(P)のまえに~V(Q) V(Q)→N(P) \\
==== 用法2:V1た(P)あとで~V2(Q) ====
=== 機能1用法2用例: ===
例5.食事をしたあと(で)、ずっとテレビを見ている。\\
例6.授業が終わったあとで、映画を見に行く。\\
=== 機能1用法2と使い分けが必要な文法・文型: ===
・Vるまえに\\
・Vてから\\
・Vて\\
・Vたとき\\
・Vたら
=== 機能1用法2と使い分けが必要な文法・文型の用例 ===
例7.部屋を出るまえに、電気を消す。\\
例8.日本へ来るまえに、日本語を勉強した。\\
例9.子ども:「お母さん、今、ゲームやってもいい↗?」\\
お母さん:「だめ。宿題をやってから、(ゲームを)やりなさい。」\\
例10.うちに帰って、ごはんを食べる。\\
例11.ごはんを食べたとき、「ごちそうさまです」と言います。\\
例12.日本へ来たときに、おみやげを買った。\\
例13.うちに帰ったら、ごはんを食べる。\\
例14.ごはんを食べたら、「ごちそうさまです」と言います。
=== 機能1用法2と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
V1た(P)あとで~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの前後関係)\\
V1る(P)まえに~V2(Q) V2(Q)→V1(P)(PとQの前後関係)\\
V1て(P)から~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの継続)\\
V1て(P)~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの順)\\
V1た(P)とき~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(Pの時点のあとQ)\\
V1たら(P)~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの前後関係)、V1(P)が成立するとV2(Q)も成立する\\
\\
**※「V1た(P)あとで~V2(Q)」と「V1て(P)から~V2(Q)」**\\
「V1た(P)あとで~V2(Q)」:P→Qという時間の前後関係\\
「V1て(P)から~V2(Q)」:PをするまでQをしない;Pを強調する;PとQが継続する\\
\\
**「V1た(P)あとで~V2(Q)」のほうがいい:PとQの前後関係**\\
例)#1時間かけて掃除してから、子供に部屋を汚された。\\
例) 1時間かけて掃除したあとで、子供に部屋を汚された。\\
例) 大学を卒業したあとで、しばらくして結婚した。\\
\\
**「V1て(P)から~V2(Q)」のほうがいい:PとQの継続**\\
例) 歯をみがいてから、寝なさい。\\
例)#歯をみがいたあとで、寝なさい。\\
例) 手をしょうどくしてから、教室に入ってください。\\
例)#手をしょうどくしたあとで、教室に入ってください。\\
例) 大学を卒業してから、すぐに結婚した。\\
\\
**「V1て(P)から~V2(Q)」しか使えない:Pが起点**\\
例) 私がこの会社で働き始めてから、もう3年がたちました。\\
例)#私がこの会社で働き始めたあとで、もう3年がたちました。\\
\\
**※「V1た(P)あとで~V2(Q)」と「V1て(P)~V2(Q)」**\\
V1(P)とV2(Q)の連続性がなくて、できごとの順(前後関係)だけを示す場合、「V1た(P)あとで~V2(Q)」も「V1て(P)~V2(Q)」も使える。\\
例)雨がふったあとで、すずしくなった。P→Q(前後関係)\\
例)雨がふって、すずしくなった。 P→Q(前後関係)\\
\\
**※****「Vたあとで」と「Vたら」**\\
「**V1たあとでV2**」:V1とV2の時間的前後関係\\
「**V1たらV2**」:V1とV2の時間的前後関係+条件\\
例)ごはんを食べたあとで、「ごちそうさまです」と言います。→V1のあとでV2\\
例)ごはんを食べたら、「ごちそうさまです」と言います。→V1のあとでV2、V1がV2の条件\\
**※「****Vたあとで****」****と****「****Vたとき****」**の大きな違いはない。\\
「**V1たあとでV2**」:V1とV2の時間的前後関係\\
「**V1たときV2**」:V1の時点のあと、V2****\\
例)ごはんを食べたあとで、「ごちそうさまです」と言います。\\
例)ごはんを食べたとき、「ごちそうさまです」と言います。\\
===== コラム =====
➣「あとで」の「で」を省略する場合がある。「あとで」に「で」をつけない場合は、「PとQが連続する」という意味が強くなる。\\
例) 友だちとけんかしたあと、友だちがずっと口をきいてくれない。\\
\\
➣「V1て(P)から」ではQには**状態**を表す文は使えないが、「V1た(P)あと(で)」ではQには**状態**を表す文は使える。 \\
例)#パーティーが終わってから、部屋はごみで**いっぱいになっていた**。\\
例) パーティーが終わったあと、部屋はごみで**いっぱいになっていた**。\\
\\
➣「いつするのか」という**時を表す**とき、「V1て(P)から」は使えるが、「V1た(P)あとで」は使えないことがある。\\
例) 受け付けは5時からです。**5時になって**から、来てください。\\
例)#受け付けは5時からです。**5時になった**あとで、来てください。\\
例) **朝になってから**、私たちは出発した。\\
例)#**朝になった**あとで、わたしたちは出発した。\\
\\
➣「V1たあとで~V2」のV2(Q)に、**命令形**や**意志形**は使いにくいが、「V1てから~V2」のV2に、**命令形**や**意志形**は使える。\\
例)#金をためたあとで、旅行に**行こうと思っています**。\\
例) 金をためてから、旅行に**行こうと思っています**。\\
\\
**まとめ(「あとで」(/とき)「まえに」「Vてから」「Vて」)**
| |V1てから~V2|V1たあとで/とき~V2\\ Nのあとで|V1て~V2|V1るまえに~V2/\\ Nのまえに|
|動作の順\\ V1(P)→V2(Q)|〇 |〇|〇| |
|動作の順\\ V2(Q)→V1(P)| | | |〇|
|時間の前後関係\\ V1(P)→V2(Q)|〇 |〇|〇| |
|時間の前後関係\\ V2(Q)→V1(P)| | | |〇|
|PとQの継続\\ V1(P)→V2(Q)|〇| | | |
|PとQの継続\\ V2(Q)→V1(P)| | | | |
|起点を示す\\ V1(P)→V2(Q)|〇| | | |
|Qに状態を表す文| |〇| | |
|いつするか|〇| | | |
|Qに命令形や意志形|〇| | | |
===== 確認問題 =====
1{a.起きるまえに b.起きたあとで}、朝ごはんを食べる。\\
2 桜は、春に{a.なったあとで b.なってから}、咲きます。\\
3 電気を{a.つけたあとで b.つけてから}、部屋に入りなさい。\\
===== 確認問題の説明 =====
1cf.機能1用法2\\
2cf.コラム\\
3cf.機能1用法2、コラム\\