====== 29[V(さ)せる] ======
===== 基本情報 =====
旧JLPT該当級:3\\
品詞: 助動詞[[用語の説明|【用語の説明】]]\\
前接: V(動詞)否定形[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]]\\
意味:1 強制\\
2 許可
===== 使い分けが必要な文法・文型 =====
・V(ら)れる[[118V(ら)れる|118[V(ら)れる]]]\\
・V(さ)せられる(※Vさ(せら)れる)[[28v_さ_せられる|28[V(さ)せられる]]]
===== 文型を使う上で理解が必要な情報 =====
・**動詞のグループ****(辞書形)**\\
動詞グループ1\\
・か**う**、ま**つ**、と**る** など \\
・よ**む**、よ**ぶ**、し**ぬ** など\\
・か**く**、およ**ぐ** など\\
・はな**す** など\\
動詞グループ2\\
・たべ**る**、ね**る** など\\
・み**る**、おき**る** など\\
動詞グループ3\\
・する\\
・くる\\
**動詞:(さ)せる形**[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]]
^** 形 **^ **グループ1** ^^^^** グループ2 **^^** グループ3 **^^
^**辞書形**|とる|よむ|かく|はなす|たべる|みる|する|くる|
^**(さ)せる形**|とら**せる**|よま**せる**|かか**せる**|はな**させる**|たべ**させる**|み**させる**|**させる**|**こさせる**|
・**有情物/無情物**\\
有情物=人、動物\\
無情物=もの、こと\\
\\
・**動詞のタイプ**:自動詞/他動詞[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]]
===== 機能 =====
==== 機能1★: 使役 ====
**〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる **\\ **〈自動詞〉N1は(/が)N2に/N2をV(さ)せる**
==== 用法1:強制 【N1は(/が)N2に(/N2を)Vの行為をするように強制する】 ====
**〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる**\\
**〈自動詞〉N1は(/が)N2を/N2にV(さ)せる**
=== 機能1用法1用例: ===
例1.母親は子ども**に**部屋**を**片付けさせる。\\
例2.母親は子ども**に**ピーマン**を**食べさせた。\\
例3.先生は子どもたち**を**/**に**走らせた。\\
例4.父親は子ども**を**早く寝かせた。
==== 用法2:許可 【N1は(/が)N2に(/N2を)Vの行為をすることを許可する】 ====
**〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる**\\
**〈自動詞〉N1は(/が)N2に/N2をV(さ)せる**
=== 機能1用法2用例: ===
例5.父親は子ども**に**9時までゲーム**を**やらせた。\\
例6.親が子ども**に**/**を**留学に行かせた。\\
例7.部屋を開けて、待っていた人**を**中に入らせた。
==== 用法3:誘発(感情の原因) ====
**〈自動詞〉N1はN2をV(感情動詞)(さ)せる**\\
=== 機能1用法3用例: ===
例8.花をあげて、母を喜ばせた。\\
例9.田中さんはいつも友だちを笑わせている。\\
例10.おもちゃを壊して、子どもを泣かせた。
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型: ===
・V(ら)れる\\
・V(さ)せられる
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
**V(ら)れる(受け身):N2がする、N1が迷惑/恩恵を受ける**\\
例)私(N1)は母(N2)にメールを読まれた。→母がメールを読んだ。私は母がメールを読んだことで迷惑を受けた。\\
例)よう子ちゃん(N1)は、小さいころ、みんな(N2)にかわいがられていた。→みんながよう子ちゃんをかわいがる。よう子ちゃんはみんながかわいがることの恩恵を受けた。\\
**V(さ)せられ る/Vさ(せら)れる(使役の受け身):N1がする、N2が働きかける**\\
例)私(N1)は母(N2)に本を読ませられる/読まされる。→私は読む。母が働きかける。\\
**V(さ)せる(使役):N1が働きかける、N2がする**\\
例)お母さん(N1)が子ども(N2)に本を読ませる。→お母さんが働きかける。子どもが読む。
===== コラム =====
➣N1、N2=有情物\\
\\
➣自動詞は、「**せる**」がつくと、他動詞になる。\\
自動詞+せる→他動詞\\
\\
➣助詞の使い方\\
〈他動詞〉【N1は/がN2**に**N3**を**]\\
〈自動詞〉【N1は/がN2**を**/**に**]\\
※「**強制**」のとき、「**N2を**」が一般的であるが、「N2に」の場合もある。\\
※「**許可**」のとき、「**N2に**」が一般的であるが、「N2を」の場合もある。\\
※「**誘発**」のとき、いつも「**N2を**」を使う。\\
\\
➣「**~さんが私にV(さ)せる**」は適切ではない。代わりに、「**私は~さんにVさせられる**」という形を使う。\\
\\
➣「(さ)せる」を使った表現\\
・V(さ)せてもらう/いただく/くれる/くださる\\
例)先生、あした休ませていただけますか。\\
例)留学に行かせてください。\\
\\
➣「**短縮形**」\\
話ことばでは、「**せる**」の代わりに短縮形の「**す**」(「書か**せる**」>「書か**す**」、「食べ**さ****せる**」>「食べ**さ****す**」など)を使うことがあるが、標準語ではない。
====== 確認問題 ======
1 母親はいやがっている子供{a.に b.を}おふろに入らせた。 \\
2 暑かったから、子どもにエアコンを{a.つけさせた b.つけられた}。\\
3 プレゼントを渡して、友だち{a.に b.を}びっくりさせた。
====== 確認問題の説明 ======
1 cf.機能1用法1、コラム\\
2 cf.機能1\\
3 cf.機能1用法3、コラム