====== 46[Vて] ======
===== 基本情報 =====
旧JLPT該当級:4 \\
品詞:助動詞(**て**形)[[用語の説明|【用語の説明】]] \\
前接:ー \\
意味: 1継起・並列\\
2付帯状況\\
3理由\\
4起点
===== 使い分けが必要な文法・文型 =====
・1たり[[42たり〜たり|42[~たり~たり]]]、し[[30し|30[し]]]、Vてから[[53vてから|53[Vてから]]]、Vたあとで[[2あとで|2[あと(で)]]]\\
・2Vながら[[74vながら|74[Vながら]]]、Vたまま[[104まま|104[まま] ]]\\
・3から[[16から_理由_②|16[から]② ]]、ので[[86ので|86[ので] ]]\\
・4Vてから[[53vてから|53[Vてから]]]
===== 文型を使う上で理解が必要な情報 =====
・**動詞のグループ****(辞書形)**\\
動詞グループ1\\
・か**う**、ま**つ**、と**る** など \\
・よ**む**、よ**ぶ**、し**ぬ** など \\
・か**く**、い**く**、およ**ぐ** など\\
・はな**す** など\\
動詞グループ2\\
・たべ**る**、ね**る** など\\
・み**る**、おき**る** など\\
動詞グループ3\\
・する \\
・くる\\
\\
**動詞:て形**[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]]
^ 形 ^ グループ1 ^^^^ グループ2 ^^ グループ3 ^^
^辞書形|か**う**|よ**む**|か**く** \\ ※い**く**\\ およ**ぐ**|はな**す**|たべ**る**|み**る**|する|くる|
^て形|か**って**|よ**んで**|か**いて** \\ ※い**って**\\ およ**いで**|はな**して**|たべ**て**|み**て**|**して**|**きて**\\
\\
・**前件/後件**[[⑬文のタイプ|⑬[文のタイプ]]]\\
前件=2節からなる複文の前の節\\
後件=2節からなる複文の後の節
===== 機能 =====
==== 機能1★: 継起(Vて、Vて...V) ====
=== 機能1用例: ===
例1.朝、7時に起きて、顔を洗って、ごはんを食べて、学校に行く。 \\
例2.きのう、7時に起きて、顔を洗って、ごはんを食べて、学校に行った。\\
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型: ===
・Vたり\\
・し\\
・Vてから\\
・Vたあとで
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例3.日よう日は、そうじをしたり買い物をしたりする。 \\
例4.先週の日よう日は、そうじをしたり買い物をしたりした。\\
例5.沖縄に行ったし、海で泳いだし、楽しかった。\\
例6.歯をみがいてから、寝なさい。\\
例7.授業が終わったあと(で)、映画を見に行く。
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
**Vて:**Vの動きが続いて起きる\\
Vの動き以外、他にはない\\
**Vたり:**Vの動きがバラバラに起きる \\
Vの動き以外、他にはない\\
**し**:Vの動きが続いて起きるということではない(Vの動きは継起関係にない)\\
「V1だけでなく、V2...も」という意味がある\\
**V1てからV2**:V1をするまでV2をしない。V1を強調する。V1とV2のできごとが継続する(V1のできごとの終了後に、引き続いてV2が起きる)\\
**V1たあとでV2**:V1とV2の時間の前後関係、動作の順
==== 機能2★: 付帯状況(Vて、V) ====
=== 機能2用例: ===
例8.動画を見て、勉強した。\\
例9.立って食べる。
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型: ===
・Vながら\\
・Vたまま
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例10.動画を見ながら勉強した。\\
例11.立ったまま食べる。
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
**Vて**:方法・その状態で(どうやってそうするかを説明する)\\
**Vながら**:前件と後件の動きが同時に起きる\\
動きが短い動詞と動きがない動詞(状態動詞)と一緒には使えない[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]]\\
**Vたまま**:Vの動きが続いていて、もと/逆の状態に戻さない/変化しない\\
動きがしばらく続く動詞とも動きが短い動詞(瞬間)動詞とも使える[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]]\\
\\
例) 立って食べる。→どのような方法で食べるかを説明する。\\
例)#立ちながら食べる。→「立つ」:動きが短い動詞(瞬間動詞)なので×\\
例) 立ったままたべる。→立ってから「立っている」結果が生じる。その結果はしばらく続く。「座る」状態に戻さない
==== 機能3★:理由(Vて~) ====
=== 機能3用例: ===
例12.事故があって、道がこんでいる。\\
例13.皆さんにお会いできてうれしいです。\\
例14.宿題を忘れてしまってすみません。
=== 機能3と使い分けが必要な文法・文型: ====
・Vから\\
・Vので
=== 機能3と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例15.事故があったから、道がこんでいる。\\
例16.事故があったので、道がこんでいる。
=== 機能3と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
^前件^後件^文型^〇/×^
|原因|結果|から|〇|
|:::|:::|ので|〇|
|:::|:::|Vて|〇|
|後件の理由、判断の根拠|推量、判断、意思、意見、命令、禁止など、\\ **「主観的な判断」**を表す表現|から|〇|
|:::|:::|ので|〇|
|:::|:::|Vて|×|\\
例) 事故があったから、道がこんでいる。 \\
例) 事故があったので、道がこんでいる。 \\
例) 事故があって、道がこんでいる。\\
例) 日本語が上手になったから、**アルバイトを始めようと思う**。 \\
例) 日本語が上手になったので、**アルバイトを始めようと思う**。 \\
例)# 日本語が上手になって、**アルバイトを始めようと思う**。
後ろに謝罪が来る場合:\\
例)# 宿題を忘れてしまったから、すみません。\\
例)# 宿題を忘れてしまったので、すみません。\\
例) 宿題を忘れてしまって、すみません。\\
後ろに依頼が来る場合:\\
例)# 両親が来るから,明日の授業は休ませてください。←(失礼な言い方)\\
例) 両親が来るので,明日の授業は休ませてください。\\
例)# 両親が来て,明日の授業は休ませてください。
==== 機能4★: 起点(Vて、V) ====
=== 機能4用例: ===
例17.今年は、日本に来て、10年になる。
=== 機能4と使い分けが必要な文法・文型: ===
・Vてから
=== 機能4と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例18.今年は、日本に来てから、10年になる。
=== 機能4と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
※「**Vて**」「**Vてから**」の大きな違いはないが、「**Vてから**」を使ったほうが起点がよりはっきりする。
===== コラム =====
➣「Vて」を使った文型。\\
**・Vている** \\
例)田中さんは、いま、ごはんを食べ**ている**。 \\
例)教室の電気がつい**ている**。\\
**・Vてある**\\
例)教室の電気がつけ**てある**。\\
**・Vてください**\\
例)例文を見**てください**。\\
**・Vてもいい** \\
例)ここでごはんを食べ**てもいい**ですか。 \\
**・Vていく、Vてくる** \\
例)授業の後で、駅でケーキを買っ**ていく**。 \\
例)授業の後で、駅でケーキを買っ**てきた**。 \\
例)ちょっと、ごはんを食べ**てくる**。 \\
**・Vてあげる、Vてくれる、Vてもらう** \\
例)母にプレゼントを買っ**てあげた**。\\
例)母がプレゼントを買っ**てくれた**。 \\
例)母にプレゼントを買っ**てもらった**。 \\
**・Vてはいけない** \\
例)ここで食べ物を食べ**てはいけない**。 \\
**・Vてみる**\\
例)きのう、ケーキを作っ**てみた**。\\
**・Vておく** \\
例)旅行に行く前に、そうじをし**ておく**。 \\
**・Vてしまう** \\
例)おいしかったので、全部食べ**てしまった**。 \\
例)宿題を忘れ**てしまった**。\\
**・Vてから**\\
例)歯をみがい**てから**寝る。