====== 48[Vてあげる](Vてさしあげる、Vてやる) ======
cf.[[⑦授受動詞|⑦[授受動詞] ]]
===== 基本情報 =====
旧JLPT該当級:3\\
品詞: 複合動詞[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]][[用語の説明|【用語の説明】]]\\
前接: V(動詞)**て**形[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]]\\
意味: 授受、恩恵(行為)cf.[[1あげる|1[あげる](さしあげる、やる)]]\\
===== 使い分けが必要な文法・文型 =====
・Vてくれる(Vてくださる)[[56vてくれる|55[Vてくれる](Vてくださる)]]\\
・Vてもらう(Vていただく)[[63vてもらう|63[Vてもらう](Vていただく)]]\\
・お~する【謙譲語】[[⑪敬語|⑪[敬語]]]\\
===== 文型を使う上で理解が必要な情報 =====
・**与え手と受け手**\\
与え手=あげる人\\
受け手=もらう人\\
・**主語と非主語**\\
主語=Nが\\
非主語=Nに\\
・**人称**\\
1人称(1p.)=わたし\\
2人称(2p.)=あなた\\
3人称(3p.)=~さん\\
・**目上と目下**\\
目上=話者から見て社会的地位が高い人\\
例)先生、社長、お客さんなど\\
目下=話者から見て社会的地位が低い人、もしくは同等の地位の人。動植物など\\
例)動物、子ども、家族、クラスメートなど\\
同等=話者と同じ社会的地位の人\\
・**視点/共感**\\
視点=話し手の立場がおかれている場所\\
例)友だちが**__(私の)子ども__**に本をくれた。\\
** 話し手の立場・視点**
・**本動詞(単純動詞)と補助動詞(複合動詞)**[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]]\\
本動詞=動詞が一つ\\
例)本を**あげる**\\
補助動詞=他の動詞のはたらきを助ける動詞\\
例)料理を手伝っ**て****あげる**\\
===== 機能 =====
==== 機能1★: [与え手=主語]が[受け手=非主語]に(/のために)~を~てあげる(さしあげる・やる) ====
①与え手=わたし(1p.)→受け手=あなた(2p.)\\
②与え手=わたし(1p.)→受け手=~さん(3p.)\\
③与え手=あなた(2p.)→受け手=~さん(3p.)\\
④与え手=~さん(3p.)→受け手=~さん(3p.) \\
=== 機能1用例: ===
例1.(わたしは)(あなたに)料理を手伝ってあげるよ。→①\\
例2.(わたしは)田中さんに英語を教えてあげた。→②\\
例3.(あなたは)山田さんに誕生日に何を買ってあげますか。→③\\
例4. 山本さんは奥さんに誕生日にネックレスを買ってあげた。→④\\
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型: ===
・Vてくれる(Vてくださる)\\
・Vてもらう(Vていただく)\\
・お~する【謙譲語】\\
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
**Vてくれる(Vてくださる):** \\
**[与え手=主語]が[わたし/わたしと同じグループの人=非主語]に(/のために)~を~てくれる(くださる)**\\
⑤与え手=あなた(2p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\
⑥与え手=~さん(3p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\
**Vてもらう(Vていただく):** \\
** [受け手=主語]が[与え手=非主語]に~を~てもらう(いただく)**\\
⑦受け手=わたし(1p.)←与え手=あなた(2p.)\\
⑧受け手=わたし(1p.)←与え手=~さん(3p.)\\
⑨受け手=あなた(2p.)←与え手=~さん(3p.)\\
⑩受け手=~さん(3p.)←与え手=~さん(3p.)\\
**お~する【謙譲語】**\\
⑪目上の人に、その行為を望んでいないときに、「Vてさし上げる」の代わりに使う。
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例5.ペン、貸してくれる?→⑤\\
例6.誕生日に母がネックレスを買ってくれた。→⑥\\
例7.ジョンさんが(私の)娘に英語を教えてくれた。→⑥\\
例8.夫が私のために旅行を計画してくれた。→⑥\\
\\
例9.20年前に、あなたに買ってもらったゆびわ、今でも大切にしている。→⑦\\
例10.このゆびわは去年の誕生日に主人に買ってもらった。→⑧\\
例11.漢字はだれに教えてもらいましたか。→⑨\\
例12.アンナさんは山田さんに漢字の勉強を手伝ってもらいました。→⑩\\
\\
例13.先生、荷物をお持ちしましょうか。→⑪\\
===== コラム =====
➣**Vてさしあげる: [与え手=主語=目下の人]、[受け手=非主語=目上の人]**\\
例)(わたし→(たとえば)年配の人)【申し出】手伝ってさしあげましょうか。\\
➣**Vてやる:[与え手=主語=目上の人]、[受け手=非主語=動物、植物、目下の人]**\\
例)子どもにおかしを買ってやった。\\
➣**省略**\\
「あなた」ということばは使わない。\\
「わたし」ということばはよく省略される。\\
===== 確認問題 =====
1 子どもに勉強を手伝って{a.さしあげた b.やった}。\\
2 夫{a.に b.が}べんとうを作ってあげた。\\
3 漢字の読みかたがわからなかったので、日本人の友だち{a.が b.に}教えてもらった。\\
===== 確認問題の説明 =====
1 cf.コラム\\
2 cf.機能1\\
3 cf.機能1\\