======51 [Vている] ======
===== 基本情報 =====
旧JLPT該当級:4\\
品詞: 複合動詞[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]][[用語の説明|【用語の説明】]]\\
前接: V(動詞)**て**形[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]] \\
意味: 1できごとの進行\\
2できごとの反復(動き・結果のくりかえし)\\
3できごとの結果の状態\\
4経験
===== 使い分けが必要な文法・文型 =====
・1、2Vる[[119vる|119[Vる]]]\\
・1Vつづける(つづく)[[44vつづける_つづく|44[Vつづける(つづく)] ]]\\
・3Vてある[[49vてある|49[Vてある]]]\\
・4Vた[[36vた|36[Vた]]]\\
===== 文型を使う上で理解が必要な情報 =====
**動詞のタイプ**[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]]
|1)動きがある動詞 ||||||2)動きがない\\ (状態)動詞\\ Nをとらない\\ 動詞\\ **【ある、いる、できる、似る、似合う】**\\ |
|①動きがしばらく続く動詞(動作動詞)|||②動きが短い動詞(変化/瞬間動詞)|||:::|
|①-1\\ Nをとる動詞 ||①-2\\ Nをとらない動詞\\ **【歩く、寝る】**|②-1\\ Nをとる動詞\\ **【かぶる、着る】**|②-2\\ Nをとらない動詞||:::|
|①-1-1\\ 自他のペアがない\\ **【食べる、書く】**|①-1-2\\ 自他のペアがある\\ **【消す、つける】**|:::|:::|②-2-1\\ 自他のペア\\ がない**\\ 【死ぬ、結婚する】**|②-2-2\\ 自他のペアがある\\ **【消える、つく】**|:::|
===== 機能 =====
==== 機能1★: できごとの進行(現在、動きが続いている) ====
※動詞のタイプ:1)動きがある動詞の①動きがしばらく続く動詞を使う
=== 機能1用例: ===
例1.田中さんは、今、ごはんを食べている。\\
例2.子どもは、今、寝ている。\\
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型: ===
・Vる\\
※動詞のタイプ:1)動きがある動詞、2)動きがない動詞を使う\\
・Vつづける(つづく)\\
※動詞のタイプ:基本的に、1)動きがある動詞を使うが、2)動きがない動詞を使う場合もある
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
**V ている**: V の動きがいま続いている \\
**V る**: V の動きをこれからする \\
**Vつづける(つづく)**:Vの動きが終わっていない\\
※「つづく」は「降る」という動詞のときのみに使う
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例3.田中さんは、これから、ごはんを食べる。\\
例4.田中さんは、来月、結婚する。\\
例5.山の中を5時間歩きつづける。\\
例6.今日一日、雨が降りつづける(つづく)だろう。
==== 機能2★:動き・結果のくりかえし【習慣】 (いつも、毎日・・・) ====
※動詞のタイプ:1)動きがある動詞を使う 【※1)②-2-1の動詞 はあまり使わない】
=== 機能2用例: ===
例7.先生は、いつも、研究室で昼ごはんを食べている。\\
例8.毎日、8時間、寝ている。\\
例9.この部屋の電気は、いつも、ついている。\\
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型: ===
・****Vる****\\
※動詞のタイプ:1)動きがある動詞も、2)動きがない動詞も使うが、基本的に動きがしばらく続く動詞と動きがない動詞をよく使う \\
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
**Vている**と**Vる**の大きな違いはないが、「最近」を使うと、 「V ている」のほうがいい。\\
例10.田中さんは、最近、フランス語を勉強している。\\
==== 機能3★:できごとの結果の状態(結果が続いている) ====
※動詞のタイプ:1)動きがある動詞②動きが短い動詞を使う\\
=== 機能3用例: ===
例11.教室の電気がついている。\\
例12.田中さんはコートを着ている。\\
例13.山田さんは結婚している。\\
=== 機能3と使い分けが必要な文法・文型: ===
・****Vてある**** \\
※動詞のタイプ:1)動きがある動詞の動きがしばらく続く動詞①-1の動詞を使う\\
=== 機能3と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
^ ^ 動作主(動きをする人) ^ 動き・変化 ^ 結果 ^
|**Vている**| × | 電気がついた | 電気がついている |
|**Vてある**| 先生が | 電気をつけた | 電気がつけてある |
=== 機能3と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例14.教室の電気がつけてある。\\
例15.ここに住所が書いてある。\\
==== 機能4★★:経験・経歴 ====
※動詞のタイプ:1)動きがある動詞を使う\\
=== 機能4用例: ===
例16.この本はもう読んでいる。\\
例17.この町には10年前に来ている。\\
例18.この橋は5年前に壊れている。(白川監修、『日本語文法ハンドブック』(2001)、p.84)\\
=== 機能4と使い分けが必要な文法・文型: ===
・****Vた****\\
=== 機能4と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例19.この本はもう読んだ。\\
例20.この町には10年前に来た。\\
例21.この橋は5年前に壊れた。\\
=== 機能4と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
**V ている**: V の動き(過去の動き)は発話時(現在)にかかわりがある \\
**V た**:Vの動きの完了。V の動き(過去の動き)は発話時(現在)にかかわりがない\\
\\
| |用例|Vの動き|発話時(現在)とのかかわり|
|**Vている** |この本はもう読んでいる。 |本を読んだ |今、この本の内容を知っている|
|:::|この橋は5年前に壊れている。|橋が壊れた |今、この橋は使えない|
|**Vた** |この本はもう読んだ。 |本を読んだ |×|
|:::|この橋は5年前に壊れた。 |橋が壊れた |×|
===== コラム =====
➣状態動詞([[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]])は、通常、「Vている」の形をもたない\\
ある⇒あっている ×\\
いる⇒いている ×\\
※例外:似合っている、できている\\
\\
➣通常、「Vている」の形で使う動詞がある\\
住む⇒住んでいる\\
持つ⇒持っている\\
知る⇒知っている\\
似る⇒似ている\\
\\
➣いくつかの機能で使われる動詞がある。区別は文脈の中でする。\\
来ている:\\
例)田中さんは、今、大学へ来ている。(動きが続いている)\\
例)田中さんは、今、大学に来ている=大学にいる。(結果が続いている)\\
例)リンさんは、毎年、日本に来ている。(くりかえし)\\
\\
着ている:\\
例)母は、今、着物を着ている。(動きが続いている)\\
例)母は、きょうは、着物を着ている。(結果が続いている)\\
例)母は、いつも、着物を着ている。(くりかえし)\\
\\
落ちている:\\
例)花が木からひらひら落ちている。(動きが続いている)\\
例)あそこにさいふが落ちている。(結果が続いている)\\
\\
➣無意志的できごとに「Vている」を使う\\
意志的できごとに「Vてある」を使う\\
例)電気がついている(無意志的できごと)\\
例)電気がつけてある(意志的できごと)\\
\\
➣1)動きがある動詞の②-2の動詞([[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]])の「ている」形には、機能3(「結果が続いている」)と機能4(「経験・経歴」)があるが、その違いは次のようだ。\\
・機能3「結果が続いている」:Vの動き(過去の動き)と現在の連続性がある\\
例)この橋は5年前から壊れている。→この橋は5年前から現在までずっと壊れている。\\
・機能4「経験」:Vの動き(過去の動き)と現在の連続性がない\\
例)この橋は5年前に壊れている。→この橋は現在は使えない。\\
\\
➣否定形 ⇒「Vていない」\\
\\
➣過去形 ⇒「Vていた」\\
\\
➣会話で「ている」の「い」がよく落ちる。\\
待っている→待ってる
===== 確認問題 =====
1 これからごはんを{a.作る b.作っている}から、待っててね。\\
2 A:子どもがいないね。\\
B:【外を見て】、あっ、にわで{a.遊ぶ b.遊んでる}よ。\\
3 A:Bさん、今、どこにいる?\\
B:駅の前で{a.待つ b.待ってる}よ。\\
4 テーブルの上にコップが並べて{a.いる b.ある}。\\
5 あそこにさいふが{a.落ちている b.落としてある}。\\
\\
===== 確認問題の説明 =====
1 cf. 機能1\\
2 cf. 機能1\\
3 cf. 機能1\\
4 cf. 機能3\\
5 cf. コラム 無意識的なできごと\\