====== 63[Vてもらう](Vていただく) ====== cf.[[⑦授受動詞|⑦[授受動詞] ]] ===== 基本情報 ===== 旧JLPT該当級:3\\ 品詞: 複合動詞[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]][[用語の説明|【用語の説明】]]\\ 前接: V(動詞)**て**形[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]]\\ 意味: 授受、恩恵 cf.[[108もらう|108[もらう](いただく)]]\\ ===== 使い分けが必要な文法・文型 ===== ・Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる)[[48vてあげる|48[Vてあげる](Vてさしあげる、Vてやる)]]\\ ・Vてくれる(Vてくださる)[[56vてくれる|56[Vてくれる](Vてくださる)]]\\ ・V(ら)れる【受け身】[[118v_ら_れる|118[V(ら)れる]]]\\ ===== 文型を使う上で理解が必要な情報(cf.授受動詞) ===== ・**与え手と受け手**\\  与え手=あげる人\\  受け手=もらう人\\ \\ ・**主語と非主語**\\  主語=Nが\\  非主語=Nに\\ \\ ・**人称**\\  1人称(1p.)=わたし\\  2人称(2p.)=あなた\\  3人称(3p.)=~さん\\ \\ ・**目上と目下**\\  目上=話者から見て社会的地位が高い人\\     例)先生、社長、お客さんなど\\  目下=話者から見て社会的地位が低い人、もしくは同等の地位の人。動植物など\\     例)動物、子ども、家族、クラスメートなど\\  同等=話者と同じ社会的地位の人\\ \\ ・**視点/共感**\\  視点=話し手の立場がおかれている場所\\     例)友だちが**__(私の)子ども__**に本をくれた。\\         ** 話し手の立場・視点**\\   \\ ・**本動詞(単純動詞)と補助動詞(複合動詞)**[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]]]\\  本動詞=動詞が一つ\\     例)本を**もらう**\\  補助動詞=他の動詞のはたらきを助ける動詞\\     例)料理を手伝っ******もらう**\\ ===== 機能 ===== ==== 機能1★: [受け手=主語]が[与え手=非主語]に~を~てもらう(いただく) ==== ①受け手=わたし(1p.)←与え手=あなた(2p.)\\ ②受け手=わたし(1p.)←与え手=~さん(3p.)\\ ③受け手=あなた(2p.)←与え手=~さん(3p.)\\ ④受け手=~さん(3p.)←与え手=~さん(3p.)\\ === 機能1用例: === 例1.20年前に、あなたに買ってもらったゆびわ、今でも大切にしている。→①\\ 例2.このゆびわは去年の誕生日に主人に買ってもらった。→②\\ 例3.漢字はだれに教えてもらいましたか。→③\\ 例4.アンナさんは山田さんに漢字の勉強を手伝ってもらいました。→④\\ === 機能1と使い分けが必要な文法・文型: === ・Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる)\\ ・Vてくれる(Vてくださる)\\ ・V(ら)れる【受け身】\\ === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い:  === **Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる):** \\ **[与え手=主語]が[受け手=非主語]に(/のために)~を~てあげる(さしあげる・やる)**\\ ⑤与え手=わたし(1p.)→受け手=あなた(2p.)\\ ⑥与え手=わたし(1p.)→受け手=~さん(3p.)\\ ⑦与え手=あなた(2p.)→受け手=~さん(3p.)\\ ⑧与え手=~さん(3p.)→受け手=~さん(3p.) \\ \\ **Vてくれる(Vてくださる):** \\ **[与え手=主語]が[わたし/わたしと同じグループの人=非主語]に(/のために)~を~てくれる(くださる)**\\ ⑨与え手=あなた(2p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\ ⑩与え手=~さん(3p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\ \\ **V(ら)れる【受け身】:**\\ [受け手=主語]が[与え手=非主語]に(~を)~(ら)れる\\ ⑪Vてもらう→いつも、相手の行為から恩恵を受ける\\ ⑫V(ら)れる→多くの場合、相手の行為から被害、迷惑を受ける\\ === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: === 例5.(わたしは)(あなたに)料理を手伝ってあげるよ。→⑤\\ 例6.(わたしは)田中さんに英語を教えてあげた。→⑥\\ 例7.(あなたは)山田さんに誕生日に何を買ってあげますか。→⑦\\ 例8. 山本さんは奥さんに誕生日にネックレスを買ってあげた。→⑧\\ \\ 例9.ペン、貸してくれる?→⑨\\ 例10.誕生日に母がネックレスを買ってくれた。→⑩\\ 例11.ジョンさんが(私の)娘に英語を教えてくれた。→⑩\\ 例12.夫が私のために旅行を計画してくれた。→⑩\\ \\ 例13.田中さんにレポートを見てもらった。→⑪【恩恵】\\ 例14.田中さんにレポートを見られた→⑫【被害、迷惑】\\ \\ しかし、「Vてもらう」も「V(ら)れる」も、【恩恵】を表すこともある。\\ 例15.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなにかわいがってもらった。\\ 例16.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなにかわいがられた。\\ ===== コラム ===== ➣**Vていただく: [受け手=主語=目下の人]、[与え手=非主語=目上の人]**\\ 例)先生にわからない漢字を教えていただきました。\\ \\ ➣**省略**\\ 「あなた」ということばは使わない。\\ 「わたし」ということばはよく省略される。\\ \\ ➣「**Vてもらいたい**」と「**Vてほしい**」\\ **Vてほしい**:行為を望んでいる相手がいてもいなくてもいい \\ 例)**親に**新しいけいたい電話を買ってほしい。\\ 例)もう暖かくなってほしい。\\ **Vてもらいたい**:行為を望んでいる相手がいる\\ 例) **親に**新しいけいたい電話を買ってもらいたい。\\ 例)#暖かくなってもらいたい。\\ ===== 確認問題 ===== 1 先生にレポートをほめて{a.さしあげた b.いただいた}。\\ 2 母{a.に b.が}おべんとうを作ってもらった。\\ 3 漢字の読みかたがわからなかったので、友だち{a.が b.に}教えてもらった。\\ ===== 確認問題の説明 ===== 1 cf.機能1\\ 2 cf.機能1\\ 3 cf.機能1\\