29v_さ_せる
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29v_さ_せる [2024/02/28 14:57] – [使い分けが必要な文法・文型] kaken | 29v_さ_せる [2025/05/01 17:53] (現在) – [コラム] kaken | ||
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行 1: | 行 1: | ||
- | ====== 29[V(さ)せる] ====== | + | ====== 29[V(さ)せる] |
===== 基本情報 ===== | ===== 基本情報 ===== | ||
旧JLPT該当級:3\\ | 旧JLPT該当級:3\\ | ||
行 7: | 行 7: | ||
2 許可 | 2 許可 | ||
===== 使い分けが必要な文法・文型 ===== | ===== 使い分けが必要な文法・文型 ===== | ||
- | ・V(ら)れる[[118V(ら)れる|118[V(ら)れる]]]\\ | + | ・V(ら)れる[[118V(ら)れる|118[V(ら)れる]]](受け身)\\ |
- | ・V(さ)せられる(※Vさ(せら)れる)[[28v_さ_せられる|28[V(さ)せられる]]] | + | ・V(さ)せられる[[28v_さ_せられる|28[V(さ)せられる]]](使役の受け身) |
===== 文型を使う上で理解が必要な情報 ===== | ===== 文型を使う上で理解が必要な情報 ===== | ||
・**動詞のグループ****(辞書形)**\\ | ・**動詞のグループ****(辞書形)**\\ | ||
行 36: | 行 36: | ||
**〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる **\\ | **〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる **\\ | ||
==== 用法1:強制 【N1は(/が)N2に(/N2を)Vの行為をするように強制する】 ==== | ==== 用法1:強制 【N1は(/が)N2に(/N2を)Vの行為をするように強制する】 ==== | ||
- | **〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる**\\ | + | ①**〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる**\\ |
- | **〈自動詞〉N1は(/が)N2を/N2にV(さ)せる** | + | ②**〈自動詞〉N1は(/が)N2を/N2にV(さ)せる** |
=== 機能1用法1用例: === | === 機能1用法1用例: === | ||
- | 例1.母親は子ども**に**部屋**を**片付けさせる。\\ | + | 例1.母親は子ども**<color #00a2e8>に</ |
- | 例2.母親は子ども**に**ピーマン**を**食べさせた。\\ | + | 例2.母親は子ども**<color #00a2e8>に</ |
- | 例3.先生は子どもたち**を**/**に**走らせた。\\ | + | 例3.先生は子どもたち**<color #00a2e8>を</ |
- | 例4.父親は子ども**を**早く寝かせた。 | + | 例4.母親は子ども**<color #00a2e8>を</ |
==== 用法2:許可 【N1は(/が)N2に(/N2を)Vの行為をすることを許可する】 ==== | ==== 用法2:許可 【N1は(/が)N2に(/N2を)Vの行為をすることを許可する】 ==== | ||
- | **〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる**\\ | + | ①**〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる**\\ |
- | **〈自動詞〉N1は(/が)N2に/N2をV(さ)せる** | + | ②**〈自動詞〉N1は(/が)N2に/N2をV(さ)せる** |
=== 機能1用法2用例: === | === 機能1用法2用例: === | ||
- | 例5.父親は子ども**に**9時までゲーム**を**やらせた。\\ | + | 例5.父親は子ども**<color #00a2e8>に</ |
- | 例6.親が子ども**に**/**を**留学に行かせた。\\ | + | 例6.親が子ども**<color #00a2e8>に</ |
- | 例7.部屋を開けて、待っていた人**を**中に入らせた。 | + | 例7.部屋を開けて、待っていた人**<color #00a2e8>を</ |
==== 用法3:誘発(感情の原因) ==== | ==== 用法3:誘発(感情の原因) ==== | ||
**〈自動詞〉N1はN2をV(感情動詞)(さ)せる**\\ | **〈自動詞〉N1はN2をV(感情動詞)(さ)せる**\\ | ||
=== 機能1用法3用例: === | === 機能1用法3用例: === | ||
- | 例8.花をあげて、母を喜ばせた。\\ | + | 例8.花をあげて、母**<color #00a2e8>を</ |
- | 例9.田中さんはいつも友だちを笑わせている。\\ | + | 例9.田中さんはいつも友だち**<color #00a2e8>を</ |
- | 例10.おもちゃを壊して、子どもを泣かせた。 | + | 例10.おもちゃを壊して、子ども**<color #00a2e8>を</ |
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型: === | === 機能1と使い分けが必要な文法・文型: === | ||
- | ・V(ら)れる\\ | + | ・V(ら)れる(受け身)\\ |
- | ・V(さ)せられる | + | ・V(さ)せられる(使役の受け身) |
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: === | === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: === | ||
**V(ら)れる(受け身):N2がする、N1が迷惑/恩恵を受ける**\\ | **V(ら)れる(受け身):N2がする、N1が迷惑/恩恵を受ける**\\ | ||
行 64: | 行 64: | ||
例)よう子ちゃん(N1)は、小さいころ、みんな(N2)にかわいがられていた。→みんながよう子ちゃんをかわいがる。よう子ちゃんはみんながかわいがることの恩恵を受けた。\\ | 例)よう子ちゃん(N1)は、小さいころ、みんな(N2)にかわいがられていた。→みんながよう子ちゃんをかわいがる。よう子ちゃんはみんながかわいがることの恩恵を受けた。\\ | ||
**V(さ)せられ る(使役の受け身):N1がする、N2が働きかける**\\ | **V(さ)せられ る(使役の受け身):N1がする、N2が働きかける**\\ | ||
- | 例)私(N1)は母(N2)に本を読ませられる/読まされる。→私は読む。母が働きかける。\\ | + | 例)私(N1)は母(N2)に本を読ませられる/読まされる。→私が読む。母が働きかける。\\ |
**V(さ)せる(使役):N1が働きかける、N2がする**\\ | **V(さ)せる(使役):N1が働きかける、N2がする**\\ | ||
例)お母さん(N1)が子ども(N2)に本を読ませる。→お母さんが働きかける。子どもが読む。 | 例)お母さん(N1)が子ども(N2)に本を読ませる。→お母さんが働きかける。子どもが読む。 | ||
行 88: | 行 88: | ||
\\ | \\ | ||
➣「**短縮形**」\\ | ➣「**短縮形**」\\ | ||
- | 話ことばでは、「**せる**」の代わりに短縮形の「**す**」(「書か**せる**」>「書か**す**」、「食べ**さ****せる**」>「食べ**さ****す**」など)を使うことがあるが、標準語ではない。 | + | 話ことばでは、「**せる**」の代わりに短縮形の「**す**」(「書か**せる**」>「書か**す**」、「食べ**さ****せる**」>「食べ**さ****す**」など)を使うことがあるが、標準語ではない。\\ |
+ | \\ | ||
+ | ➣使役的他動詞\\ | ||
+ | ※寝かす/寝かせる\\ | ||
+ | 「寝るー寝かす/寝かせるー寝させる」には次のような違いがある。\\ | ||
+ | 例)子どもが寝る【自動詞】。→子どもは部屋へ行って寝る。\\ | ||
+ | 例)子どもを寝かす/寝かせる【他動詞】。→母親が歌を歌って、子どもを寝かす/寝かせる。\\ | ||
+ | 例)子どもを寝させる【使役】。→なかなか寝ない子どもを母親が寝させる。\\ | ||
====== 確認問題 ====== | ====== 確認問題 ====== |
29v_さ_せる.1709099856.txt.gz · 最終更新: 2024/02/28 14:57 by kaken