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40[ため(に)]
基本情報
1.旧JLPT該当級:3
2.品詞: 接続助詞(接続詞)
3.前接: V普通形、A(い、な)、Nの
4.意味: 1理由
2目的
使い分けが必要な文法・文型
文型を使う上で理解が必要な情報
機能
機能1★:理由
機能1用例:
例1.大雪のため電車が止まった。
例2.かぜをひいたため、学校を休んだ。
例3.この町は電車が少ないため、車を利用する人が多い。
例4.この町は交通が不便なため、車を利用する人が多い。
機能1と使い分けが必要な文法・文型:
・から
・ので
・て/で
機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例:
例5.雪が降ったから、電車が止まった。
例6.さいふを忘れたから、1000円貸してください。
例7.事故があったので、電車が止まった。
例8.きょう時間がないので、宿題はあしたする。
例9.事故があって電車が止まってしまった。
例10.事故で電車が止まってしまった。
例11.皆さんにお会いできてうれしいです。
例12.宿題を忘れてしまってすみません。
機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い:
ため(に):1)書きことばでよく使う。
2)後件には、「質問」、「命令」、「意志」、「推量」を表す文が使えない。
例)雪が降ったために、試合は中止でしょう。×
から:1)原因や判断の根拠を表す。
2)後件の形に制限がない。
ので:1)「から」よりていねいなことば
2)後件の形に制限がある:①後件に「だろうので」は使えない。
②「命令」、「意志」、「推量」のときは、「から」のほうが自然だ。
て/で:後件には、「質問」、「命令」、「意志」、「推量」が使えない。
Vて:後件に感情や謝罪の表現を使うことが多い→例11、例12
Nで:Nにはできごと(事故、地震、風、雪など)のことばを使う→例10
機能2★:目的
機能2用例:
例13.旅行をするためにアルバイトをしている。
例14.家族のためにがんばる。
機能2と使い分けが必要な文法・文型:
・のに
機能2と使い分けが必要な文法・文型の用例:
例15.このナイフはくだものを切るのに使う。
例16.このナイフはくだものを切るのに便利だ。
機能2と使い分けが必要な文法・文型の違い:
Vのに:後件には、「使う」、「役立つ」、「便利だ」、「必要だ」ということばを一般的に使
う。
※Nに:動作を表すNと一緒に使える。
例)この袋は保存に便利だ。
ため(に):1)V(例13)ともN(例14)とも使える。
2)Vに意志動詞と使う
3)前件と後件の動作主が同じでなければならない
例)〇私は旅行をするためにアルバイトしている。【旅行する、アルバイトする=私】
例)×子どもが留学するために、私は子どもに英語を教えている。【留学する=子ども、教える=私】
※理由を表す「ために」の文では、前件と後件の動作主が違ってもよい。
例)雪が降ったため、電車が止まった。
コラム
➣「ために」の「に」が省略されることがあるが、意味は同じである。
➣「そのため(に)」という「理由」の接続詞もある。
例)雪が降った。そのため(に)、電車が止まった。