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117[らしい]

基本情報

旧JLPT該当級:3
品詞: 助動詞【用語の説明】
前接:N(名詞)/A(形容詞)/V(動詞)普通形⑩[文体] (※A
意味:1推量
   2比況(典型)

使い分けが必要な文法・文型

・そうだ(伝聞)35[そうだ]②
・そうだ(様態)34[そうだ]①
・ようだ111[ようだ]

機能

機能1★:推量

話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)に自分の判断を加えて伝える(「そうだ」【伝聞】と「ようだ」の中間)。

機能1用例:

例1.きのう、北海道で地震があったらしい。
例2.今年は、雪が少ないらしい。
例3.田中さんは、今週末、ひまらしい。
例4.山田さんのとなりにいる人は山田さんの弟らしい。

機能1と使い分けが必要な文法・文型:

・そうだ(伝聞)
・そうだ(様態)
・ようだ

機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例:

例5.きのう、北海道で地震があったそうだ。
例6.今年は、雪が少ないそうだ。
例7.田中さんは、今週末、ひまだそうだ。
例8.山田さんのとなりにいる人は山田さんの弟だそうだ。
例9.きょう、雨が降るようだ。
例10.部屋の電気がついていないので、山田さんはまだ帰っていないようだ。
例11.子どもがケーキをおいしそうに食べている。そのケーキはおいしいようだ。
例12.山田さんはお酒が好きなようだ。
例13.あの人は日本語がわからない。外国人のようだ。
例14.きょう、雨が降りそうだ。
例15.本がたなから(すぐ/今にも)落ちそうだ。
例16.このパソコンは古いですが、まだ使えそうです。
例17.このケーキはおいしそうだ。
例18.田中さんは、ひまそうだ。

機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型の違い:

そうだ【伝聞】:話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)を伝えるのに使う。話すときに使う。
らしい:①「そうだ」(伝聞)「ようだ」の中間。 「そうだ」(伝聞)より「伝聞」のニュアンスが弱い。
     話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)に自分の判断を加えて情報を伝えるのに使う。
     ※無責任なニュアンスを帯びやすいので、責任を持って、判断を述べなければならない場合には不適切である。
      例)【医者が患者に】#かぜらしいです。薬を飲んでください。
      例)【医者が患者に】 かぜのようです。薬を飲んでください。
    ②(Nらしい)そのものの典型的な性質をもっている【比況】cf.機能2
ようだ:①根拠に基づく話し手の判断・推量を表すのに使う。【判断/推量】
    ②(Nのようだ)他のものに例えるときに使う。【比況】
     例)あの子は人形のようだ。
そうだ【様態】:①話し手が兆候や外観から人・ものの様子やできごとが起こる可能性について判断する・予想するのに使う。→例14、例16-18
        ②できごとがこれから(すぐ/今にも)起こる可能性【直前】→例15

機能2★:【Nらしい】比況(そのものの典型的な性質をもっている)

例19.子どもらしい子ども。
例20.今年の冬は暖かくて、冬らしくない。

                  まとめ

前接 後続 意味
V/A/N 過去形 N/V伝聞根拠からの
判断/推量
兆候(外観)
からの
判断/推量
比況
そうだ
【伝聞】
V/A/N ×
らしいV/A/NN/V
ようだ
(ような)
V/A/NN/V
そうだ
(そうな)
【様態】
V/A × N/V

きょうは、雨が降るそうだ。←他から得た情報(客観的な根拠・証拠)【伝聞】
きょうは、雨が降るらしい。←他から得た情報(客観的な根拠・証拠)に話し手の判断を加える【伝聞+判断】
きょうは、雨が降るようだ。←話し手の判断・推量【判断/推量】
きょうは、雨が降りそうだ。←徴候の存在のもとで(見たままの様態から)の話し手の判断・予想【判断/予想】

コラム

➣情報源を明確にするときに、「~によると」、「~の話しでは」を使う。