117[らしい]
基本情報
使い分けが必要な文法・文型
機能
機能1★:推量
話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)に自分の判断を加えて伝える(「そうだ」【伝聞】と「ようだ」の中間)。
機能1用例:
例1.きのう、北海道で地震があったらしい。
例2.今年は、雪が少ないらしい。
例3.田中さんは、今週末、ひまらしい。
例4.山田さんのとなりにいる人は山田さんの弟らしい。
機能1と使い分けが必要な文法・文型:
・そうだ(伝聞)
・そうだ(様態)
・ようだ
機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例:
例5.きのう、北海道で地震があったそうだ。
例6.今年は、雪が少ないそうだ。
例7.田中さんは、今週末、ひまだそうだ。
例8.山田さんのとなりにいる人は山田さんの弟だそうだ。
例9.きょう、雨が降るようだ。
例10.部屋の電気がついていないので、山田さんはまだ帰っていないようだ。
例11.子どもがケーキをおいしそうに食べている。そのケーキはおいしいようだ。
例12.山田さんはお酒が好きなようだ。
例13.あの人は日本語がわからない。外国人のようだ。
例14.きょう、雨が降りそうだ。
例15.本がたなから(すぐ/今にも)落ちそうだ。
例16.このパソコンは古いですが、まだ使えそうです。
例17.このケーキはおいしそうだ。
例18.田中さんは、ひまそうだ。
機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型の違い:
そうだ【伝聞】:話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)を伝えるのに使う。話すときに使う。
らしい:①「そうだ」(伝聞)と「ようだ」の中間。 「そうだ」(伝聞)より「伝聞」のニュアンスが弱い。
話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)に自分の判断を加えて情報を伝えるのに使う。
※無責任なニュアンスを帯びやすいので、責任を持って、判断を述べなければならない場合には不適切である。
例)【医者が患者に】#かぜらしいです。薬を飲んでください。
例)【医者が患者に】 かぜのようです。薬を飲んでください。
②(Nらしい)そのものの典型的な性質をもっている【比況】cf.機能2
ようだ:①根拠に基づく話し手の判断・推量を表すのに使う。【判断/推量】
②(Nのようだ)他のものに例えるときに使う。【比況】
例)あの子は人形のようだ。
そうだ【様態】:①話し手が兆候や外観から人・ものの様子やできごとが起こる可能性について判断する・予想するのに使う。→例14、例16-18
②できごとがこれから(すぐ/今にも)起こる可能性【直前】→例15
機能2★:【Nらしい】比況(そのものの典型的な性質をもっている)
例19.子どもらしい子ども。
例20.今年の冬は暖かくて、冬らしくない。
まとめ
前接 | 後続 | 意味 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
V/A/N | 過去形 | N/V | 伝聞 | 根拠からの 判断/推量 | 兆候(外観) からの 判断/推量 | 比況 | |
そうだ 【伝聞】 | V/A/N | 〇 | × | 〇 | |||
らしい | V/A/N | 〇 | N/V | 〇 | 〇 | 〇 | |
ようだ (ような) | V/A/N | 〇 | N/V | 〇 | 〇 | ||
そうだ (そうな) 【様態】 | V/A | × | N/V | 〇 |
きょうは、雨が降るそうだ。←他から得た情報(客観的な根拠・証拠)【伝聞】
きょうは、雨が降るらしい。←他から得た情報(客観的な根拠・証拠)に話し手の判断を加える【伝聞+判断】
きょうは、雨が降るようだ。←話し手の判断・推量【判断/推量】
きょうは、雨が降りそうだ。←徴候の存在のもとで(見たままの様態から)の話し手の判断・予想【判断/予想】
コラム
➣情報源を明確にするときに、「~によると」、「~の話しでは」を使う。