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目次
65[と] ②
基本情報
1.旧JLPT該当級:3
2.品詞: 接続助詞(接続詞)【用語の説明】
3.前接:Vる形、(い)Aい形、(な)A/Nだ
4.意味: 仮定、条件
使い分けが必要な文法・文型
文型を使う上で理解が必要な情報
・前件/後件[文のタイプ]
前件=2節からなる複文の前の節
後件=2節からなる複文の後の節
機能
機能1:仮定・条件
用法1★【一般的条件(必然的な関係)】:恒常的な依存関係
※非過去のみ
機能1用法1用例:
例1.このボタンを押すと、ジュースが出る。
例2.春になると、さくらの花が咲く。
例3.暑いと、この木は枯れてしまう。
例4.静かだと、さびしい。
例5.子どもだと、ここは入れない。
機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型:
・ば
機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型の用例
例6.このボタンを押せば、ジュースが出る。
例7.春になれば、さくらの花が咲く。
用法2★★【発見・おどろき】:話し手が予想しなかったことを伝える
※後件の「V」はた形
機能1用法2用例:
例8.部屋に入ると、ネコがいた。
例9.窓を開けると、虫が入ってきた。
機能1用法2と使い分けが必要な文法・文型:
・たら
機能1用法2と使い分けが必要な文法・文型の用例
例10.部屋に入ったら、ネコがいた。
例11.窓を開けたら、虫が入ってきた。
機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い:
1)「たら」・「ば」と「と」
・「たら」:仮定条件;確定条件;発見;反事実
①前件と後件に時間的前後関係がある:前件→後件
②1回のできごと
③後件の形式に制限がない
④書きことばでは使われない
・「ば」:仮定条件;一般的条件(必然的な結果);習慣・反復;反事実
①前件と後件に時間的前後関係がある:前件→後件
②1回のできごとにも反復性のある出来事にも使える
③後件に意志表現が使われない
※ただ、状態の場合は、使える。
例)お金があれば、旅行に行きたい。
例)あした、ひまなら(ば)、映画を見に行きたい。
例)いい人なら(ば)、結婚してください。
④書きことばで使われる
・「と」:一般的条件(必然的な結果);習慣・反復;発見
①前件と後件に時間的前後関係がある:前件→後件
②反復性のあるできごと
③後件に意志表現が使われない
④話ことばにも書きことばにも使われる
まとめ
たら | と | ば | |
仮定条件 | 〇 | 〇 | |
確定条件(あとで) | 〇 | ||
一般的条件(必然的な結果) | 〇 | 〇 | |
発見 | 〇 | 〇 | |
反事実 | 〇 | 〇 | |
1回のできごと | 〇 | ||
習慣・反復 | 〇 | 〇 | |
話ことばに使える | 〇 | 〇 | 〇 |
書きことばに使える | 〇 | 〇 | |
前件と後件に時間的前後関係がある | 〇 | 〇 | 〇 |
後件の形に制限がある(意志表現などが使われない) | 〇 | 〇/△ |
〈形式の置き換えが可能な場合〉
【2つの形式】
・「と」、「ば」:反復
例)ここは、冬になると、いつも大雪が降る。
例)ここは、冬になれば、いつも大雪が降る。
・「たら」、「と」:発見・おどろき
例)部屋に入ったら、ネコがいた。
例)部屋に入ると、ネコがいた。
・「と」、「ば」:一般的条件(必然的な結果)
例)春になると、さくらが咲く。
例)春になれば、さくらが咲く。
コラム
➣「Vるとき」と「Vると」
Vるとき:時点を表し、その時点で(同時に)何が起きるかを示す。
Vると:条件を表す
例)お酒を飲むとき、音楽を聴く。→「お酒を飲む」時点で音楽を聴く。
例)お酒を飲むと、顔が赤くなる。(お酒を飲まなければ、顔が赤くならない)→「お酒を飲む」ことが「顔が赤くなる」条件だ;「お酒を飲む」ことと「顔が赤くなる」ことが必然的な関係にある
➣「Vると」は、道案内に使われる。
例)次の角を曲がると、駅がある。
➣「Vると」を使った表現
・「Vるといい」:①勧めや助言 ②願望
例)Q:旅行には、何を持っていくといいですか。 A:ぼうしを持っていくといいです。←①
例)あした、晴れるといいですね。←②
確認問題
1 暖かくなると、花を見に{a.いきましょう b.行きます}。
2 ドアを{a.開けると b.開ければ}、友だちがいた。
3 もし、週末時間が{a.あると b.あったら}、山をのぼる。
4 わからない{a.と b.とき(は)}、聞いてください。
確認問題の説明
1 cf.まとめ
2 cf.機能1用法2
3 cf.まとめ
4 cf.コラム