・V(さ)せる29[V(さ)せる]
・V(さ)せられる(※Vさ(せら)れる)28[V(さ)せられる]
・Vてもらう63[Vてもらう](Vていただく)
・Vることができる23[Vことができる](できない)
・敬語⑪[敬語]
・動詞のグループ(辞書形)
動詞グループ1
・かう、まつ、とる など
・よむ、よぶ、しぬ など
・かく、およぐ など
・はなす など
動詞グループ2
・たべる、ねる など
・みる、おきる など
動詞グループ3
・する
・くる
動詞:(ら)れる形⑥[動詞活用]
形 | グループ1 | グループ2 | グループ3 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
辞書形 | とる | よむ | かく | はなす | たべる | みる | する | くる |
(ら)れる形 | とられる | よまれる | かかれる | はなされる | たべられる | みられる | できる | こられる |
・有情物/無情物
有情物=人、動物
無情物=もの、こと
・動詞のタイプ:自動詞/他動詞⑧[動詞のタイプ]
【N1は(/が)N2に(N3を)V(ら)れる】←【N2は(/が)N1をVる】/【N2は(/が)N1にN3をVる】
・N1、N2=有情物
・N2に
・動詞のタイプ=他動詞
例1.私は母に叱られた。←母は私を叱った。
例2.私は母に買い物を頼まれた。←母は私に買い物を頼んだ。
例3.田中さんは先生にほめられた。←先生は田中さんをほめた。
例4.友だちが知らない人に道を聞かれた。←知らない人が友だちに道を聞いた。
【N1は(/が)N2によってV(ら)れる】←【N2は(/が)N1をVる】
・N1=無情物(もの)
・N2によって
・動詞のタイプ=他動詞(「創造する」という意味のある動詞)
例5.この本は村上春樹(むらかみはるき)によって書かれた。←村上春樹(むらかみはるき)がこの本を書いた。
例6.この絵はピカソによって描かれた。←ピカソがこの絵を描いた。
例7.大阪城は豊臣秀吉(とよとみひでよし)によって建てられた。←豊臣秀吉(とよとみひでよし)が大阪城を建てた。
【N1は(/が)N2にN3をV(ら)れる】←【N2は(/が)N1のN3をVる】
・N1、N2=有情物
・N2に
・N3はN1の所有物
・動詞のタイプ=他動詞
例8.私は先生に子どもをほめられた。←先生は私の子どもをほめた。
例9.私は弟にゲームを壊された。〈迷惑の意味〉←弟は私のゲームを壊した。
例10.田中さんは犬に手をかまれた。〈迷惑の意味〉←犬は田中さんの手をかんだ。
【N1は(/が)N2にV(ら)れる】←【N2は(/が)Vる】
・N1=有情物
・N2に
・動詞のタイプ=自動詞
・意味=迷惑
例11.(私は)雨に降られた。〈迷惑の意味〉←雨が降った。
例12.夕べ、(私は)友だちに来られて、テストの勉強が出来なかった。〈迷惑の意味〉←夕べ、友だちが来た。テストの勉強が出来なかった。
【N1は(/が)V(ら)れる】←【N2は(/が)N1をVる】
・N1=無情物(もの・こと)
・N2×
※一般的に/皆
・動詞のタイプ=他動詞
例13.オリンピックが東京で開かれた。←【一般的】オリンピックを開いた。
例14.この本は世界中で読まれている。←【一般的に/皆】この本を読んでいる。
【N1は(/が)N2で/からV(ら)れる】←【N1をN2で/からVる】
・N1=無情物
・N2(素材)で/から
・動詞のタイプ=他動詞
例15.とうふは大豆で/から造られる。←とうふを大豆で/から造る。
【N1は(/が)~とV(ら)れる】
・N1=無情物(もの・こと)
・動詞のタイプ=他動詞
※「自発」によく使う動詞:思う、考える、言う
例16.世界の人口が増えていると言われる。
例17.地震による被害が多いと思われる。
まとめ
用法 | 受け身のタイプ | 動詞のタイプ | N1:有情物/無情物 | N2の助詞 |
---|---|---|---|---|
1① | 直接 | 他動詞 | 有情物 | に |
1② | 直接 | 他動詞 | 無情物 | によって |
2 | 間接:持ち主 | 他動詞 | 有情物 | に |
3 | 間接:迷惑 | 自動詞 | 有情物 | に |
4 | もの | 他動詞 | 無情物 | |
5 | 素材 | 他動詞 | 無情物 | で/から |
6 | 自発 | 他動詞 | 無情物 |
・V(さ)せる
・V(さ)せられる(※Vさ(せら)れる)
・Vてもらう
V(さ)せる(使役):N1が働きかける、N2がする
例)お母さん(N1)が子ども(N2)に本を読ませる。→お母さんが働きかける。子どもが読む。
V(さ)せられ る/Vさ(せら)れる(使役の受け身):N1がする、N2が働きかける
例)私(N1)は母(N2)に本を読ませられる/読まされる。→私は読む。母が働きかける。
V てもらう:N2がする、N1が恩恵を受ける
例)子ども(N1)はお母さん(N2)に本を読んでもらった。→お母さんが本を読んだ。子どもはお母さんが本をこんだことの恩恵を受けた。
V(ら)れる(受け身):N2がする、N1が迷惑/恩恵を受ける
例)私(N1)は母(N2)にメールを読まれた。→母がメールを読んだ。私は母がメールを読んだことで迷惑を受けた。
例)よう子ちゃん(N1)は、小さいころ、みんな(N2)にかわいがられた。→みんながよう子ちゃんをかわいがる。よう子ちゃんはみんながかわいがることの恩恵を受けた。
可能形⑥[動詞活用]
グループ1 | グループ2 | グループ3 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
かう | よむ | かく | はなす | たべる | みる | する | くる |
かえる | よめる | かける | はなせる | ※たべられる | ※みられる | ※できる | ※こられる |
例18.私は10時間寝られる。
例19.私は辛い料理は食べられない。
例20.図書館で本が10冊借りられる。
・Vることができる
・「ことができる」と「可能形」はほとんど違いがなく、置き換えが可能であるが、フォーマルな会話では「ことができる」が用いられる。
例21.私は10時間寝ることができる。
例22.私は辛い料理は食べることができない。
例23.図書館で本が10冊借りることができる。
例24.もう、北海道に行かれましたか。
例25.日本語を話されますか。
例26.この本を読まれましたか。
・尊敬語:特別な形、お~になります
・「V(ら)れる」による尊敬語と、尊敬語の特別な形、「お~になります」は違いがなく、置き換えが可能である。
例)もう、北海道にいかれましたか。
例)もう、北海道にいらっしゃいましたか。
例)この本を読まれましたか。
例)この本をお読みになりましたか。
➣「Vられる」には三つの意味が重なることがあるので、区別は、文法(助詞など)か文脈によって可能となる。
例)妹にケーキを食べられた。→受け身(迷惑)
例)甘い物が食べられますか。→可能
例)田中さんは甘い物を食べられます。→尊敬語
➣「ら抜き」ことば
話しことばでは、グループ2の動詞の「可能形」で、「ら」を抜くことができる(「ら抜き」ことば)。
例)食べられる>食べれる
1 このオペラは、モーツァルト{a.に b.から c .によって}作曲された。
2 となりにいた人に{a.私の足を b.私は足を c.私に足を}ふまれた。
3 母にべんとうを{a.作られました b.作ってもらいました}。
4 田中さんにボイフレンドの手紙を見られた。{見られた=a.敬語 b.受け身 c.可能}
1 cf.機能1用法1②
2 cf.機能1用法2
3 cf.機能1
4 cf.機能1用法2、コラム