目次
2[あと(で)]
基本情報
使い分けが必要な文法・文型
文型を使う上で理解が必要な情報
・主節/従属節⑬[文のタイプ]
主節のできごと=Q
従属節のできごと=P
授業が終わったあとで、映画に行った。
P Q
機能
機能1★:時間の前後関係、動作の順
用法1:N(P)のあとで~V(Q)
機能1用法1用例:
例1. 食事のあとで、薬を飲んでください。
例2. 授業のあとで、さんぽをした。
機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型:
・Nのまえに
機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型の用例
例3.食事のまえに、手を洗う。
例4.授業のまえに、宿題をする。
機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型の違い:
N(P)のあとで~V(Q) N(P)→V(Q)
N(P)のまえに~V(Q) V(Q)→N(P)
用法2:V1た(P)あとで~V2(Q)
機能1用法2用例:
例5.食事をしたあと(で)、ずっとテレビを見ている。
例6.授業が終わったあとで、映画を見に行く。
機能1用法2と使い分けが必要な文法・文型:
・Vるまえに
・Vてから
・Vて
・Vたとき
・Vたら
機能1用法2と使い分けが必要な文法・文型の用例
例7.部屋を出るまえに、電気を消す。
例8.日本へ来るまえに、日本語を勉強した。
例9.子ども:「お母さん、今、ゲームやってもいい↗?」
お母さん:「だめ。宿題をやってから、(ゲームを)やりなさい。」
例10.うちに帰って、ごはんを食べる。
例11.ごはんを食べたとき、「ごちそうさまです」と言います。
例12.日本へ来たときに、おみやげを買った。
例13.うちに帰ったら、ごはんを食べる。
例14.ごはんを食べたら、「ごちそうさまです」と言います。
機能1用法2と使い分けが必要な文法・文型の違い:
V1た(P)あとで~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの前後関係)
V1る(P)まえに~V2(Q) V2(Q)→V1(P)(PとQの前後関係)
V1て(P)から~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの継続)
V1て(P)~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの順)
V1た(P)とき~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(Pの時点のあとQ)
V1たら(P)~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの前後関係)、V1(P)が成立するとV2(Q)も成立する
※「V1た(P)あとで~V2(Q)」と「V1て(P)から~V2(Q)」
「V1た(P)あとで~V2(Q)」:P→Qという時間の前後関係
「V1て(P)から~V2(Q)」:PをするまでQをしない;Pを強調する;PとQが継続する
「V1た(P)あとで~V2(Q)」のほうがいい:PとQの前後関係
例)#1時間かけて掃除してから、子供に部屋を汚された。
例) 1時間かけて掃除したあとで、子供に部屋を汚された。
例) 大学を卒業したあとで、しばらくして結婚した。
「V1て(P)から~V2(Q)」のほうがいい:PとQの継続
例) 歯をみがいてから、寝なさい。
例)#歯をみがいたあとで、寝なさい。
例) 手をしょうどくしてから、教室に入ってください。
例)#手をしょうどくしたあとで、教室に入ってください。
例) 大学を卒業してから、すぐに結婚した。
「V1て(P)から~V2(Q)」しか使えない:Pが起点
例) 私がこの会社で働き始めてから、もう3年がたちました。
例)#私がこの会社で働き始めたあとで、もう3年がたちました。
※「V1た(P)あとで~V2(Q)」と「V1て(P)~V2(Q)」
V1(P)とV2(Q)の連続性がなくて、できごとの順(前後関係)だけを示す場合、「V1た(P)あとで~V2(Q)」も「V1て(P)~V2(Q)」も使える。
例)雨がふったあとで、すずしくなった。P→Q(前後関係)
例)雨がふって、すずしくなった。 P→Q(前後関係)
※「Vたあとで」と「Vたら」
「V1たあとでV2」:V1とV2の時間的前後関係
「V1たらV2」:V1とV2の時間的前後関係+条件
例)ごはんを食べたあとで、「ごちそうさまです」と言います。→V1のあとでV2
例)ごはんを食べたら、「ごちそうさまです」と言います。→V1のあとでV2、V1がV2の条件
※「Vたあとで」と「Vたとき」の大きな違いはない。
「V1たあとでV2」:V1とV2の時間的前後関係
「V1たときV2」:V1の時点のあと、V2
例)ごはんを食べたあとで、「ごちそうさまです」と言います。
例)ごはんを食べたとき、「ごちそうさまです」と言います。
コラム
➣「あとで」の「で」を省略する場合がある。「あとで」に「で」をつけない場合は、「PとQが連続する」という意味が強くなる。
例) 友だちとけんかしたあと、友だちがずっと口をきいてくれない。
➣「V1て(P)から」ではQには状態を表す文は使えないが、「V1た(P)あと(で)」ではQには状態を表す文は使える。
例)#パーティーが終わってから、部屋はごみでいっぱいになっていた。
例) パーティーが終わったあと、部屋はごみでいっぱいになっていた。
➣「いつするのか」という時を表すとき、「V1て(P)から」は使えるが、「V1た(P)あとで」は使えないことがある。
例) 受け付けは5時からです。5時になってから、来てください。
例)#受け付けは5時からです。5時になったあとで、来てください。
例) 朝になってから、私たちは出発した。
例)#朝になったあとで、わたしたちは出発した。
➣「V1たあとで~V2」のV2(Q)に、命令形や意志形は使いにくいが、「V1てから~V2」のV2に、命令形や意志形は使える。
例)#金をためたあとで、旅行に行こうと思っています。
例) 金をためてから、旅行に行こうと思っています。
まとめ(「あとで」(/とき)「まえに」「Vてから」「Vて」)
V1てから~V2 | V1たあとで/とき~V2 Nのあとで | V1て~V2 | V1るまえに~V2/ Nのまえに |
|
動作の順 V1(P)→V2(Q) | 〇 | 〇 | 〇 | |
動作の順 V2(Q)→V1(P) | 〇 | |||
時間の前後関係 V1(P)→V2(Q) | 〇 | 〇 | 〇 | |
時間の前後関係 V2(Q)→V1(P) | 〇 | |||
PとQの継続 V1(P)→V2(Q) | 〇 | |||
PとQの継続 V2(Q)→V1(P) | ||||
起点を示す V1(P)→V2(Q) | 〇 | |||
Qに状態を表す文 | 〇 | |||
いつするか | 〇 | |||
Qに命令形や意志形 | 〇 |
確認問題
1{a.起きるまえに b.起きたあとで}、朝ごはんを食べる。
2 桜は、春に{a.なったあとで b.なってから}、咲きます。
3 電気を{a.つけたあとで b.つけてから}、部屋に入りなさい。
確認問題の説明
1cf.機能1用法2
2cf.コラム
3cf.機能1用法2、コラム