目次
53[Vてから]
基本情報
使い分けが必要な文法・文型
文型を使う上で理解が必要な情報
・主節/従属節⑬[文のタイプ]
主節のできごと=Q
従属節のできごと=P
授業が終わってから、映画に行きました。
P Q
機能
機能1★:時間の前後関係、動作の順、継続
[V1て(P)から~V2(Q)]:PをするまでQをしない。Pを強調する。PとQが継続する(Pのできごとの終了後に、引き続いてQが起こる)。
機能1用例:
例1.歯をみがいてから、寝なさい。
例2.手をしょうどくしてから、教室に入ってください。
例3.子ども:「お母さん、今、ゲームやってもいい?」
お母さん:「だめ。宿題をやってから、(ゲームを)やりなさい。」
例4.日本に来てから、すぐに結婚した。
機能1と使い分けが必要な文法・文型:
・Vたあとで
・Vて
・Vるまえに
・Vたとき
・たら
機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例:
例5.食事をしたあと(で)、ずっとテレビを見ている。
例6.授業が終わったあと(で)、映画を見に行く。
例7.うちに帰って、ごはんを食べる。
例8.部屋を出るまえに、電気を消す。
例9.日本へ来るまえに、日本語を勉強した。
例10.ごはんを食べたとき、「ごちそうさまです」と言います。
例11.日本へ来たときに、おみやげを買った。
例12.うちに帰ったら、ごはんを食べる。
例13.ごはんを食べたら、「ごちそうさまです」と言います。
機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い:
V1た(P)あとで~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの前後関係)
V1る(P)まえに~V2(Q) V2(Q)→V1(P)(PとQの前後関係)
V1て(P)から~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの継続)
V1て(P)~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの順)
V1たとき(P)~V2(Q) V1(P)→V2(Q)(Pの時点のあとQ)
V1たら(P)V2(Q) V1(P)→V2(Q)(PとQの前後関係)
V1(P)が成立するとV2(Q)も成立する
※「V1て(P)から~V2(Q)」と「V1た(P)あとで~V2(Q)」
「V1た(P)あとで~V2(Q)」:P→Qという時間の前後関係
「V1て(P)から~V2(Q)」:PをするまでQをしない;Pを強調する;PとQが継続する
①「V1て(P)から~V2(Q)」のほうがいい:PとQの継続
例) 歯をみがいてから、寝なさい。
例)#歯をみがいたあとで、寝なさい。
例) 手をしょうどくしてから、教室に入ってください。
例)#手をしょうどくしたあとで、教室に入ってください。
②「V1た(P)あとで~V2(Q)」のほうがいい:PとQの前後関係
例)#1時間かけて掃除してから、子供に部屋を汚された。
例) 1時間かけて掃除したあとで、子供に部屋を汚された。
③「V1て(P)から~V2(Q)」しか使えない:Pが起点 cf.機能2
例) 私がこの会社で働き始めてから、もう3年が経った。
例)#私がこの会社で働き始めたあとで、もう3年が経った。
※「Vてから」と「たら」
「Vてから」:時間的前後関係
「たら」:時間的前後関係+条件
(cf.例3)
例)子ども:「お母さん、今、ゲームやってもいい?」
お母さん:「だめ。宿題をやってから、(ゲームを)やりなさい。」
⇒「宿題→ゲーム」の順
例)子ども:「お母さん、ゲームやってもいい?」
お母さん:「だめ。宿題をやったら、(ゲームを)やりなさい。」
⇒「宿題が終わる」ことが「ゲームをやる」ための条件
機能2★:ある変化や継続的なことの始まり(起点)
機能2用例:
例14.私がこの会社で働きはじめてから、もう3年がたちました。
例15.大学生になってから、アルバイトを始めた。
例16.朝起きてから、家を出るまで1時間かかる。
例17.先週かぜをひいてから、ずっと体調が悪い。
機能2と使い分けが必要な文法・文型:
・Vて
機能2と使い分けが必要な文法・文型の違い:
※「V1て(P)」「V1て(P)から」の大きな違いはないが、「V1て(P)から」を使ったほうが起点がよりはっきりする。
例)私がこの会社で働き始めてから、もう3年が経った。
例)私がこの会社で働き始めて、もう3年が経った。
例)大学生になってから、アルバイトを始めた。
例)大学生になって、アルバイトを始めた。
例)朝起きてから、家を出るまで1時間かかる。
例)朝起きて、家を出るまで1時間かかる。
※「V1て(P)から~V2(Q)」は、P・Qの前後の関係をはっきりと示すが、「V1て(P)~V2(Q)」には、「P→Q」か「PとQ」のあいまいさが残る。
例)Aさんがピアノをひいてから、Bさんが歌を歌った。 P→Q
例)Aさんがピアノをひいて、Bさんが歌を歌った。 P→Q、PとQ
コラム
➣「V1て(P)から」はQには状態を表す文は使えないが、「V1た(P)あとで」はQに状態を表す文が使える。
例)#パーティーが終わってから、部屋はごみでいっぱいになっていた。
例) パーティーが終わったあとで、部屋はごみでいっぱいになっていた。
➣「いつするのか」という時を表すとき、「V1て(P)から」は使えるが、「V1た(P)あとで」は使えないことがある。
例) 受け付けは5時からです。5時になってから、来てください。
例)#受け付けは5時からです。5時になったあとで、来てください。
例) 朝になってから、私たちは出発した。
例)#朝になったあとで、わたしたちは出発した。
➣「V1た(P)あとで~V2(Q)」のV2(Q)に、命令形や意志形は使いにくいが、「V1て(P)から~V2(Q)」のV2(Q)に、命令形や意志形は使える。
例)#お金をためたあとで、旅行に行こうと思っています。
例) お金をためてから、旅行に行こうと思っています。
まとめ
V1てから~V2 | V1たあとで/とき~V2 | V1て~V2 | V1るまえに~V2 | |
動作の順 V1(P)→V2(Q) | 〇 | 〇 | 〇 | |
動作の順 V2(Q)→V1(P) | 〇 | |||
時間の前後関係 V1(P)→V2(Q) | 〇 | 〇 | 〇 | |
時間の前後関係 V2(Q)→V1(P) | 〇 | |||
PとQの継続 V1(P)→V2(Q) | 〇 | |||
起点を示す V1(P)→V2(Q) | 〇 | |||
Qに状態を表す文 | 〇 | |||
いつするか | 〇 | |||
Qに命令形や意志形 | 〇 | (〇【V1たときV2】) |
確認問題
1 日本に{a.来たあとで b.来てから}、1年になります。
2 電気を{a.つけたあとで b.つけてから}、部屋に入りなさい。
3 スリッパを{a.ぬいだあとで b.ぬいでから}和室に入る。
確認問題の説明
1 cf.機能2
2 cf.機能1、コラム
3 cf.機能1、コラム